<はじめに>
一人の人間は、一日の中で多くの役割を担っています。
相手に応じて、場所により、立場によって、その振る舞いは常に変化し、どれ一つとして同じではありません。しかし現代社会では、そうした役割を演じることに疲れ、他人との比較に惑わされるあまり、自分が本当にどう在りたいのかを見失ってしまっている現状があります。
私は与えられた立場に責任を持ち、自らの信念と誠実さをもって役割と向き合うことこそ「らしくある」ことだと考えています。それは何かの型にはまることでも、誰かの正解をなぞることでもありません。
日々の意思と行動の積み重ねこそが、自分自身の「らしさ」を育み、確かな存在としての軸をつくっていくのだと、私は信じています。
我々JAYCEEは
社会的・国家的・国際的な責任を自覚し
志を同じうする者 相集い 力を合わせ
青年としての英知と勇気と情熱をもって
明るい豊かな社会を築き上げよう
この綱領に込められた覚悟こそ、JC らしさであり、これからの時代に必要とされる姿です。
「らしくあれ」を胸に、仲間と共に希望ある未来を築いてまいります。

公益社団法人小松青年会議所
第69代理事長
山本 幸宗
<小松JC 創立70 周年へ>
「新日本の再建は我々青年の仕事である」という信念のもと、1949 年に日本青年会議所が発足し、そしてその後1958 年に小松青年会議所は日本で176 番目の青年会議所として誕生しました。
本年は小松青年会議所の設立より69 年が経ち、創立60 周年に10 年ビジョンとして掲げた「創発+ ~アクティブコンソーシアム~」、そして創立65 周年に掲げた「行きたい 住みたい 多くの人たちにそう思ってもらえるまち そこに向かって人々が集まる そして動き出す」による10 年ビジョンの更なる進化を検証し、次の10 年への橋渡しを担います。
自らが掲げたビジョンと現状とのギャップを正確に分析し、このビジョンギャップ埋めることで未来をより鮮明に描きます。小松青年会議所には地域に期待される役割があります。
私たちはその役割を理解し、ふさわしい行動を心がけるとともに、明るい豊かな社会の実現に向けて歩みを進めます。
<社会の変化と青年会議所の役割>
私たちを取り巻く社会は、急速な技術革新や価値観の多様化により将来の予測が困難な時代へと変化しています。
情報にあふれる一方で、自己の在り方を見失う若者が増え、責任を嫌い、組織に関わる意義を見いだせない風潮が広がっています。私たち青年会議所においても形式的な運営や目的を見失った活動に陥る危機と常に隣り合わせです。
組織が「何のために」「誰のために」存在するのか。私たち一人ひとりが、その原点を問い直す時に来ているのではないでしょうか。私たち自身が自分の役割に責任を持ち、JC らしく在ろうとすることが組織の信頼を高め、地域から必要とされる青年会議所の在り方につながるのです。
今こそ、本来の使命を再認識し、変化の先頭に立って行動する時です。
<理念共感型の組織へ>
小松青年会議所は、志を同じくする仲間が集い、社会に変化をもたらす組織です。
そして組織とは共通の目的を達成するための集団です。
しかし自分が所属する組織の在り方や理念を最初から理解している人は多くはありません。
私たちには明確な行動指針があり、目指すべき理想の未来があります。この組織に属する以上はその理念に共感し、自身の言葉で語り、意思決定や行動に反映させていくことが求められます。
もしも事業をこなすだけの場になってしまえば、組織は形骸化し、本来の価値を失ってしまいます。
私はJC の理念に共感し、その実現に向けて仲間と力を合わせられる組織こそが、未来に誇れる小松青年会議所の姿であると確信しています。
<地域との共創>
地域を取り巻く課題は、社会変化のスピードとともに複合的に絡み合い、ますます複雑化しています。
こうした現実に対し、私たちは地域活性化のために、市民・行政・他団体との対話を重ね、信頼関係を築きながら共通の目的を見出し、持続可能なまちづくりを進めていく必要があります。
「ともに考え、ともに行動する」姿勢である「共創」が、青年会議所の真の価値を発揮する鍵です。
私たちは地域に根差した存在であるからこそ、地域の痛みや願いに敏感でなければなりません。
事業のための事業ではなく、地域の声に耳を傾けて本当に必要とされる活動を実行することが、地域が青年会議所に求めることです。地域の未来を語るとき、青年会議所だけで成し遂げられることには限りがあります。
だからこそ、私たちがさまざまな立場や世代をつなぐハブとなり、青年の情熱と行動力をもって、地域に新たな風を起こす役割を担う必要があります。
私たち一人ひとりが、この地域のために覚悟と責任を持ち、地域とともに歩んでいきます。
<世界とつながる未来へ>
私たちの地域には、全国に誇る玄関口である「小松空港」があります。北陸随一の国際空港として、国内外の人や文化が行き交うこの空港は、小松が世界とつながる象徴的な存在です。
また小松市では産業構造の影響により外国人住民が増加傾向にあります。これは、私たち小松青年会議所にとっても、地域に根差しながら世界に目を向ける機会と責任を与えられていることを意味します。
青年会議所は、国際的なネットワークを持つ稀有な組織です。
JCI の一員である私たちは、国や文化を超えた青年と対話し、学び合い、協働することができます。
異なる価値観と触れ合うことで、自分の考えや地域の魅力を見つめ直すきっかけとなり、視野を広げる経験にもなります。グローバルでありながらローカルでもある小松だからこそできる国際的なつながりが、地域の未来をさらに豊かなものへと導いてくれると信じています。
青年会議所がその架け橋となり、地域の若者が世界と関わることが、地域の未来や青年自身の成長にもつながっていくのです。
<青少年の力>
地域の未来を語るとき、その中心にいるのは今を生きる若者たちです。
だからこそ、私たち大人がどのように彼らと向き合い、どのような環境を用意するかが極めて重要です。
SNS の影響による他者との比較や将来への不安の中で、自分らしく生きることの難しさを抱える若者が増えています。
小松青年会議所は、彼らが自分の意志で未来を切り拓いていく力を育むために、機会の提供に取り組む必要があります。
次代を担う若者が、自分らしさを信じ、地域を愛し、社会に貢献する存在へと成長していくこと。
その可能性を信じ、私たちはこれからも真剣に青少年と向き合い、未来のまちの礎を築いてまいります。
<小松青年会議所の価値>
小松青年会議所は、これまで68 年にわたり地域社会に根ざし、数多くの運動を展開してきました。
その積み重ねこそが、私たちの誇るべき価値です。
こまつで「JC」といえば、一定の信頼感と期待をもって見られる。それは歴代の先輩諸兄姉が、真摯に地域と向き合い続けてきた証にほかなりません。価値とは、単なる知名度ではなく、「どう見られているか」「どんな価値を提供してきたか」の積み重ねです。
だからこそ私たちは、この小松青年会議所という看板を背負うことに誇りを持たねばなりません。一方で、時代の変化とともにその価値が持つ意味や重みも変化しています。
かつてのように組織の威光だけで信頼される時代は終わりました。
私たち自身がどれだけ地域に必要とされる存在であるかを、一つひとつの行動で示し続ける必要があります。
価値を「維持」するのではなく「進化」させるという姿勢でふさわしい行動を貫いていきます。
<リーダーシップの開発>
「実践の中でリーダーシップを育む場」である青年会議所は、計画・立案、調整、実行、検証に至るまでのすべての活動をメンバー自身が担います。
一人ひとりが主体的に物事を動かし、周囲を巻き込みながら成果を生み出す。これは青年会議所の三信条にある修練の連続です。私たちが目指すリーダーシップとは、単に指示を出すことではありません。
相手の立場を理解し、共感し、信頼を得ることで、人の心を動かすこと、そして目指すべき目標へ共に向かう力です。
挑戦の機会に自ら手を挙げ、責任を果たす中では、失敗も成功もすべてが学びとなります。
JC という環境を使い、自分らしいリーダー像を模索し、人生における人間力を高めていきます。
<JAYCEE としての、同志の絆>
小松青年会議所には、地域の枠を超えて築かれてきた、かけがえのない「同志の絆」があります。
姉妹JC であるソウル衿川JC との交流は、今年で33 年を迎えます。
これまで多くの先輩方が互いの国を訪れ、文化を分かち合い、真の友情を育んできました。
その歩みは、国境を越えて人と人が信頼でつながる素晴らしさを私たちに教えてくれます。
小松青年会議所にとって衿川JC はかけがえのない友であり、今後も心の通う交流をさらに深めてまいります。
近隣の加賀JC とは、南加賀協議会を通じて共同事業や例会を推進し、長年にわたり切磋琢磨してきました。
地域間連携の重要性が高まる今、南加賀の未来を共に見据えるパートナーとして、今年も有意義な関係を築いていきます。
そして、石川県内9 つの青年会議所で構成される石川ブロック協議会は、メンバーにとって成長と交流の貴重な機会を提供してくれる場です。私自身も過去の活動を通じ、多くの学びと仲間との出会いを得ることができました。
本年も一丸となって、県内の連携をさらに強化し、広域的な視野で青年会議所運動を推進していきたいと考えています。
これらの絆は、地域の未来を共につくるための大きな力です。想いを共有する同志とともに、互いに刺激し合いながら、持続可能な社会の実現に向けて歩みを進めてまいります。
結びに
「らしくあれ」
この言葉と出会ったのは、航空自衛隊小松基地を見学したときのことでした。
掲げられていた標語がふと目に入り、その瞬間、私は胸の奥で強く共鳴しました。
「これまで自分が大切にしてきたのは、まさにこのことだったのだ」と。
言葉にできずにいた想いが、明確なかたちで自覚できた瞬間でした。
社業、家庭、青年会議所、地域活動──私たちは日々、数多くの役割を担っています。
夫として、父として、上司として、部下として、仲間として。
そのひとつひとつに誠実に向き合い、与えられた立場にふさわしい自分であろうと努めてきました。
しかし、それは決して「型」に自分をはめ込むことではありません。
大切なのは、「らしくありたい」と願い、行動を積み重ねること。その過程こそが、その人の「らしさ」を形づくっていくのだと、私は信じています。
家庭人らしく、青年経済人らしく、JC メンバーらしく、そして何よりも、自分らしく。
すべての行動に責任と想いを込め、この一年が次代に誇れる一歩となるよう、仲間とともに歩みを進めてまいります。

公益社団法人小松青年会議所
第69代理事長
山本 幸宗
組織
Organization

2026年理事メンバー
理事長:山本 幸宗
監事:小野森 貴大
監事:上口 泰広
直前理事長:東本 大志
副理事長兼国際交流創出室長:本 晃大
副理事長兼地域創発室長:山本 健志郎
副理事長兼財務公益審査担当室長:南井 侑貴
専務理事:今出 圭亮
事務局長:宮内 淳
国際交流創出委員会委員長:白江 誠一郎
創発こまつ委員会委員長:池上 久貴
青少年育成委員会委員長:安多 竜也
財務公益審査委員会委員長:永井 利幸

